『薬がみえる』教員の声
『薬がみえる』の監修者としてお世話になっている昭和薬科大学 教授 山崎浩史 先生に、
薬学部の教員としての立場から、本書の魅力や特徴を伺いました。
基礎から臨床への橋渡しとして有意義な教育ツール
昭和薬科大学 教授 山崎浩史 先生( vol.4 監修者)
現在、薬学部・薬科大学で教えられる薬物動態学は、薬の吸収・分布・代謝・排泄の基礎から、患者さんごとに最適な薬を選択し、服薬量、服薬時間を決定する投与設計や服薬指導の基盤情報まで、実に広範囲にカバーしています。
実際の講義を担当すると、学生達の興味や理解度の大きな個人差に直面しつつ、日々の講義がどこまで生きた知識として彼らに届いているか、悩み深い経験をされた先生方も多いのではないでしょうか。
私の担当する薬物動態学研究室所属の学生達を見ている中で、5年次の病院薬局実務実習時あるいは新人として薬剤部や薬剤科職員として入局した直後は、基礎と実践をつなぐ「包括的な一枚もののまとめ」を必要とする場合が多いように感じます。
学外の医療現場に出た彼らは、様々な手段にて入手したまとめの図表を重宝しているようです。
本書『薬がみえるvol.4』に掲載されているカラフルな図表は、広範な薬物動態学の基礎から臨床への橋渡しとして、有意義な教育ツールの一つとなり得ます。
先生方が長年採用して来られた専門教科書の詳しい白黒図表とは、一部趣旨が異なる模式図やまとめとなっている場合もありますが、本書は最新の採用医薬品銘柄に十分に配慮されており、薬物動態から薬物治療や実践薬学分野を跨いで、学生達に生きた薬物動態学の基礎と臨床を伝えるための統合図表候補として、優れた「まとめ」となるものと高く評価しております。
先生方も是非一度、本書を手に取り自ら眺めていただくことをお勧めし、推薦文といたします。