『薬がみえる』ご採用校の声
文章とイラストの併用で、メカニズムの本質を理解させる授業を展開
横浜薬科大学 田邉 由幸 先生
| 2026年度の『薬がみえる』ご採用講義について:
3年生前期 薬理学Ⅲでvol.2-3を使用、 3年生後期 薬理学Ⅳでvol.2を使用。 ※他の薬理学の教科書との併用で『薬がみえる』を使用 |
暗記に頼らず「薬理のメカニズム」を理解させることが課題
Q:『薬がみえる』を教科書として採用される前、学生さんの学習状況や理解度に関して、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
田邉先生: 一番の課題は、学生の「文章を読む力」の低下ですね。実際、高学年であっても、国家試験で出題されるような薬理の文章を読んでも「意味がわかりません」と言う学生は少なからずいます。
国家試験対策に限って言えば、要点だけが綺麗にまとまった参考書はありますが、どうしても情報が断片的になり、意味もわからず文節や単語だけを丸暗記してしまう学生も多いです。薬学では基礎から臨床の橋渡しとなる薬理学ですので、「なぜ効くのか」というメカニズムの基本を、文章を読んでしっかり理解できるようになってほしいという思いがありました。
採用の決め手は「豊富なイラスト」。スクリーン投影で講義準備もスムーズに
Q:数ある書籍のなかで、『薬がみえる』を採用された決め手は何だったのでしょうか?
田邉先生: やはり「イラストが圧倒的に多く、イメージしやすい」という点ですね。以前に勤務していた大学で、同僚の先生が『病気がみえる』を採用されていて、イラストで上手に説明されている部分が多いことは知っていました。その後『薬がみえる』 を見て、文章だけではどうしても説明がしづらい部分や、学生がイメージしづらい機序の部分を視覚的に補ってくれると感じ、2024年度から採用を決めました。

Q:実際の講義では、『薬がみえる』をどのように提示されていますか?
田邉先生:講義の際、学生には『薬がみえる』を持参させています。私は手元のタブレットで『薬がみえる』の図版を貼ったパワーポイントを開き、それを教室のスクリーンにそのまま投影しています。そして、説明が必要な箇所には、タブレット上で直接ペンで書き込みをしながら解説しています。
以前はあらかじめスライドできっちりした資料を作り込んでいましたが、『薬がみえる』を採用してからは、紙面をそのまま映してリアルタイムで書き込んでいくことができるので、私自身の講義準備の負担が減りました。
「文章」と「イラスト」をつなげ、本質的な理解を促す
Q:講義内では、『薬がみえる』を使ってどのように指導されているのでしょうか?
田邉先生: 私は「文章を読んで理解する」ことを重要視していますので、講義ではテキストベースの教科書も併用しています。ただ、文章だけではやはり理解が難しい。そこで、『薬がみえる』の該当のイラストを使って文章と交互に投影して、両者を結びつけるように指導を行っています。
また、学生は薬の一覧表を欲しがる傾向にあります。『薬がみえる』の各章の冒頭や章末にあるような、全体像や作用部位がまとまったイラストや表は、講義でも役立っています。最初に全体像を提示して、その後に細かい詳細を見ていき、最後もう一度全体像に戻って確認する、という流れを作れるため、講義がとてもやりやすくなりました。
Q:ちなみに、『薬がみえる』で特に「この図版のまとめ方は良い!」と思われる箇所はありますか?
田邉先生:例えばこの辺りの、消化管を一本道にしているイラストなんかはびっくりしますよね。ある意味、消化管の本質みたいなところを突いているなと思います。

(『薬がみえる』vol.3 p.23「下剤の作用機序」より)
また、3年次になると次年度の薬学共用試験やその後の実務実習などを意識しつつあります。『薬がみえる』は、イラストや症例画像などが豊富で、臨床をイメージしやすいと思います。
実際、実務実習中の先輩学生の日報や週報に出てくる症例や薬などを講義で紹介しつつ、『薬がみえる』の画像を合わせて提示すると、学生がスクリーンを見ている目つきが少し変わり、注目してくれているのを感じますね。
Q:その他に、『薬がみえる』の導入後、何か学生さん方の反応はありましたか?
田邉先生: 定期試験の後での振り返りの演習を行った際に、「『薬がみえる』は教科書として必要ですか?」というアンケートをとったところ、7割以上の学生が「必要だ」と回答していました。実は「買っただけで使えていないのではないか」と心配していたのですが、色々な学び方をする幅広い層の学生にとっても、視覚的に分かりやすい『薬がみえる』は必要とされているツールなのだということが分かり、良い意味で意外な発見でした。
教員にも学生にも「色々便利」な一冊
Q:最後に、『薬がみえる』の採用を検討されている先生方へおすすめのポイントがあればお願いします。
田邉先生: 一言で言えば、「色々便利ですよ」とお伝えしたいですね。教員にとっては、図表を探したり一から作ったりする手間が省け、プロジェクターに映して説明するのにも便利です。
情報量が多いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、講義で全てに触れる必要はなく、講義で扱わなかった部分も、「後でわからなくなった時に自分で調べるのに役立つ内容」であったり、「今後、実務実習や臨床現場に出たときの参考資料」として有用だと思います。だからむしろ、授業で触れた以外のところをどんどん自分で見てもらって、面白いと感じてくれるようになれば、将来の自己研鑽力へのつながりも期待できますし、こちらとしては狙い通りだなと思いますね。
また、キャラクター化された細胞のイラストや、薬剤師のセリフなどは、学生にとってとっつきやすく、自ら調べてみようという興味を引き出すポイントになっていると思います。教員の負担軽減と、学生の理解度の向上の両面で、大いに活用できる書籍です。









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