1. はじめに
本ページでは、2026年2月に実施された「第111回薬剤師国家試験」を代表的なAIサービスに解かせ、その得点率や傾向を公開しています。 ※本検証は2026年2月時点の各AIモデルに基づいた結果である点にご留意ください。
【試験概要】
対象としたのは、2026年2月21日・22日に実施された第111回薬剤師国家試験です。全345問のマークシート形式で、以下の6ブロックで構成されています。
- 第1ブロック:必須問題
- 第2〜3ブロック:理論問題
- 第4〜6ブロック:実践問題
※科目の分類は、試験問題冊子の記載に準拠しています
【検証対象のAIモデル】
今回の検証では、以下の3つの主要モデルを使用しました。
- ChatGPT-5.2Thinking (OpenAI)
- Gemini 3Pro(Google)
- Claude Opus 4.5(Anthropic)
2. 検証方法とプロンプト
AIに対し、以下のプロンプト(指示文)を用いて解答を生成させました。
| あなたは薬剤師国家試験の問題を解く専門家です。以下の問題について、段階的に検討して最適な解答を導いてください。
検討の観点: 1. 問題が問うポイント(薬理学、薬剤学、病態・薬物治療、法規・制度、衛生、化学・生物・物理など)を明確化 2. 各選択肢の妥当性を、薬効薬理、相互作用、副作用、適用疾患、関連法規などの観点から評価 3. 疾患の病態生理と薬物治療プロトコルの適合性を判断 4. 画像や表がある場合は、化学構造式、グラフ、薬物動態パラメータ、処方箋などを専門的に分析 5. 最も適切な選択肢(原則1つ)を決定 6. 他の選択肢が不適切な理由も簡潔に補足 回答ルール: – 指示がない限り1つだけ選択(番号で回答) – 複数選択の指示がある場合のみ複数可(昇順、カンマ区切り) – 最終的に以下のJSONで出力: |
なお、記事執筆時点では厚生労働省から公式な問題PDFが公開されていないため、受験生から提供された問題冊子の内容をテキスト入力して検証を行っています。
【検証のポイント:画像問題の扱い】 薬剤師国家試験には、テキストのみの問題と、図表・構造式・グラフを含む問題が混在しています。今回は、「画像を含む問題」と「含まない問題」で切り分けて得点率を算出しました。
3. AIによる回答精度・成績の分析
厚生労働省による公式解答の発表前であるため、現時点では弊社採点サービス「薬剤師 合格予報」の解答データをもとに検証しています。
各モデルの成績概況
集計結果から、以下の傾向が見て取れました。
形式別の傾向
- 必須問題:GeminiおよびChatGPTが非常に高い得点率を記録しました。
- 理論問題:Geminiが最も優れた成績を収めました。
- 実践問題:3モデル中、Geminiが首位となりました。
分野別の傾向
- 物理・化学・生物:画像・図表問題が多いため、他分野に比べて得点率が下がる傾向がありました。
- 薬理・法規:Web上に学習データが豊富に存在する分野であり、AIの解答精度も安定して高いことが確認されました。
全体として、いずれのモデルも極めて高い水準にあり、決定的な差はみられませんでした。強いて挙げれば、今回の試験内容においてはClaudeの得点率が他2モデルをわずかに下回る結果となりました。また、3モデルすべてが誤答した問題は、計6問でした(不適切問題の可能性がある問199を除く)。
4. 全AIモデルが誤答した問題の分析
全モデルが正解を導き出せなかった問題の中から、特徴的な事例をピックアップし、AIの思考プロセスを分析しました。
事例①:画像認識と選択肢番号の不一致
「薬剤師 合格予報」の解答は「2」です。
各AIの解説を以下に掲載します。
ChatGTP
「3」成人CPRの圧迫部位は胸骨の下半分(胸の中央、剣状突起は避ける)。
Gemini
「3」成人の胸骨圧迫の適切な部位は「胸骨の下半分」である。薬剤師国家試験の典型的な図(第102回問109等)では、③が胸骨の下半分(胸の中央)に相当し、剣状突起(④)等を避けた適切な位置となる。
Claude
「3」成人の胸骨圧迫は胸骨の下半分(両乳頭を結ぶ線の中央付近)で行う。剣状突起を避け、胸骨体の下半分が適切な圧迫部位である。
各AIの解説文を見ると、「胸骨の下半分」「剣状突起を避ける」といった適切な根拠は導き出せています。しかし、最終的な解答番号を選ぶ段階で、図の位置情報と番号を正しく紐付けられず、誤った番号を選択しているケースが散見されました。
事例②:立体化学・反応予測
「薬剤師 合格予報」の解答は「2,4」です。
各AIの解説を以下に掲載します。
ChatGTP
「不明」エラー
Gemini
「不明」エラー
Claude
「3,4」化合物Aは1,2-ジメチルシクロペンテン。反応3のmCPBAによるエポキシ化と反応4のBr2付加はアルケンの両面から等確率で起こり、ラセミ体を与える。1,2,5はsyn付加でメソ化合物を生成。
「生成物がラセミ体かどうか」を問うような、立体化学の検証においては、まだAIの精度が十分ではありません。特に生成物の構造が明示されていない場合、反応様式の知識はあっても、最終的な立体の判断でミスが生じやすいようです。
事例③:臨床判断と複合的な知識
「薬剤師 合格予報」の解答は「1,3」です。
各AIの解説を以下に掲載します。
ChatGTP
「3」処方2(脂肪乳剤)は等張性で末梢静脈投与が可能。0.22µm使用は不適、NPC/N400は過大、腎機能も正常。
Gemini
「1」処方1(総合ビタミン入りTPN製剤)には微量元素が含まれていないため、完全静脈栄養(TPN)施行時には微量元素製剤の添加が必須となる。検査値は正常範囲であり、腎機能低下によるアミノ酸制限やNPC/Nの400への設定(腎不全用)は不適切。
Claude
「1」長期の高カロリー輸液では微量元素(亜鉛、銅、マンガン等)の欠乏を防ぐため、微量元素製剤の補給が必要。腎機能は正常値であり、NPC/N比は通常150-200程度が適正。脂肪乳剤は0.22μmフィルターを通過できない。
選択肢2,4,5の否定はしているものの、選択肢1と3の組み合わせを正答とする解答はありませんでした。
特定の選択肢(例:フィルターの透過性やNPC/N比の妥当性)については正確に否定できていても、複数の要素を組み合わせた「最適な正答」を選ぶ際に、優先順位を誤る傾向が見られました。
5. まとめ
本検証の結果、最新のAIが薬剤師国家試験で高い得点率を達成する可能性を秘めていることが明らかになりました。一方で、図表の正確な読み取りや、専門的な化学反応の推論には、依然として課題が残っています。AIの特徴を踏まえて、上手に勉強に活用していきましょう!
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